イスラエルとガザの戦争で被害を受けたとされる多くの遺跡の中に、13世紀の宮殿が含まれている。
（写真省略）（写真キャプション）13世紀の宮殿カスル・アル・バシャは、イスラエルの空爆作戦によって被害を受けたとされる史跡のひとつである Facebook/Hidden Palestine
イスラエル・ガザ戦争による甚大な人的被害に加えて、イスラエルが10月7日のハマスの攻撃を受けて攻撃を開始して以来4ヶ月の間に、博物館、建築遺産、考古学的遺跡を含むパレスチナ領土の文化遺産のかなりの部分が損傷または破壊されたことが報告されている。
国際機関は現地視察はできていないが、遠隔操作の方法を用いて被害の規模を評価している。
ユネスコによると、1月25日現在、戦争が始まって以来、ガザにある22の遺跡の被害を確認している。その中には、5つの宗教施設、10棟の歴史的・芸術的建造物、2つの可動文化財保管所、1つの記念碑、1つの博物館、3つの遺跡が含まれている。
他のメディアの報道によれば、破壊はもっと広範囲に及んでいる可能性がある。今月初め、複数の通信社が、イスラエル軍がガザ市南部にあるアル・イスラ大学の主要な建物を取り壊したと報じたが、その中には、約3000点の美術品、考古学的遺物、標本、資料、器具を収蔵する博物館も含まれていた。
ヨルダン川西岸地区にあるビルジート大学の声明は、アル・イスラー大学の建物を取り壊す前に軍事拠点として占拠していたイスラエル軍が、博物館を破壊する前にコレクションを略奪したと非難した。この略奪の疑惑は、独自に検証されたものではない。
アルジャジーラが最近発表した報告書によると、少なくとも195の歴史的に重要な場所、なかには4,000年前にさかのぼるものもあるが、それらが紛争によって損なわれたり破壊されたりしたと推定されている。
その中には、戦争初期に空爆を受けたラファ博物館とアル・カララ博物館も含まれている。ラファ博物館は最近開館したパレスチナの遺産博物館であり、アル・カララ博物館は青銅器時代にさかのぼる約3000点の遺物を所蔵していた。
ガザ北部のマタフ・ホテル内にある小さな博物館マタフ・アル・フンドゥクは、11月の砲撃で被害を受けた。
ガザ市では、13世紀に建てられた宮殿で古美術博物館としても運営されているカスル・アル・バシャ（別名パシャ宮殿）が、12月の空爆で壁や中庭、庭園に被害を受けた。
アルジャジーラによると、歴史的なモスクの多くが破壊され、その中には、歴史的なコーランの写し、預言者モハメッドの伝記、哲学、医学、スーフィー神秘主義に関する古書など、62点の貴重な写本を所蔵していた大オマリ・モスクも含まれている。
古代遺跡も被害を受けた。ガザで最初の海港として知られ、ユネスコの世界遺産にも登録されているアンセドン・ハーバーは、4世紀のキリスト教修道院群である聖ヒラリオンと同様に被害を受けた。
12月、ユネスコは、1954年に締結された「武力紛争時における文化財の保護に関するハーグ条約」で定められた最高レベルの免責である暫定的な強化保護を、パレスチナ自治政府観光・古美術省の直接保護下にある聖ヒラリオンに与えた。
アルド・アル・モハルビーン（Ard-al-Moharbeen）は、新たに発見されたローマ時代のネクロポリスで、戦争が始まった当時は発掘が進められていたが、これも危険にさらされていると考えられている。この遺跡は、白リン弾が投下されたと思われる地域にあると伝えられているが、遺跡にある125の墓への被害はまだ評価されていない。
イスラエルが意図的に狙っているとパレスチナ人が非難している文化遺産の破壊は、南アフリカが国連国際司法裁判所に提訴した「国家がガザでジェノサイド行為を行っている」という裁判の証拠として引用された。同訴訟は、「ジェノサイド条約に基づくパレスチナ人の遺産を含む権利に対する、さらなる、深刻かつ回復不可能な被害から守るため」、裁判所に緊急に行動するよう求めた。
先週の中間判決で、国連裁判所はイスラエルに対し、自国軍がガザでジェノサイド行為を行わないようあらゆる手段を講じるよう命じたが、即時停戦を求めるまでには至らなかった。裁判所はまた、ハマスが拘束しているイスラエルの人質の即時解放も要求した。
人権団体は、イスラエルがハーグ条約に違反していると非難し、ユネスコにさらなる対応を求めている。
欧州地中海人権モニターは、ユネスコは「ガザ地区にある数千の考古学的遺物の運命を明らかにし、歴史的遺跡の状況を評価し、この地域の文化的・人的遺産を標的にした違反行為についてイスラエルの責任を追及するために、事実調査団を派遣するという役割を果たさなければならない」と述べた。
国家による暴力や人権侵害を調査するために建築マッピングを使用する、英国を拠点とする集団Forensic Architectureのような独立組織もまた、意図的であるとする遺産破壊の証拠を文書化している。
イスラエルは戦争犯罪の疑いを強く否定し、合法的な軍事目標のみを攻撃し、国際法への「揺るぎないコミットメント」を持っていると述べている。
ユネスコの広報担当者はメディアに対する最近の声明で次のように述べた：「私たちの組織は、すべての関係者に国際法を厳守するよう求めています。文化財は民間のインフラであるため、軍事的な目的のために標的とされたり、使用されたりすべきではない。」
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