ところで占領期、占領軍に略奪された文物の返還を日本政府は要求しないのだろうか

メキシコ当局、フランスによる先コロンブス期の遺物オークションを非難
来週パリで販売される予定の83の工芸品は、メキシコの法律で保護されていると当局が発表している

メキシコ当局は、パリのオークションハウスに対し、同国の文化遺産法で保護されているとされる古代遺物の販売計画を中止するよう要請した。

パリのオークションハウス ミロンは、4月3日に先コロンブス期美術の個人コレクションから出品される品々を販売する。出品物はそれぞれ70,000ユーロの値がつくと予想されている。

しかし、メキシコ国立人類学歴史研究所(INAH)と文化省によると、出品された148点のうち、83点はメキシコの法律で保護されている考古資料である。両機関は先週の声明で、INAHの専門家がオークションに出品される品々を調査したと発表している。

メキシコ政府が法律で保護されていると主張しているものには、擬人化された置物や陶器、オークションで最も価値のある神聖な斧など、先古典期中期(前1200年~前400年)にまでさかのぼるものが含まれている。

INAHの声明によると、メキシコの文化省長官であるアレハンドラ・フラウスト・ゲレーロ氏は、オークションハウスに対し、売却を中止し、対象物の歴史的、象徴的、文化的価値が「いかなる商業的利益よりも優れている」ことを考慮するように促した。

文化省とINAHはメキシコの司法長官に訴状を提出し、外務省の法務局とインターポールに通知した。ミロンの広報担当者は、コメントを求めたところ、すぐに返答しなかった。

メキシコはここ数年、美術品や工芸品の本国への送還に向けた取り組みを強化しており、アンドレス・マヌエル・ロペス・オブラドール大統領は2018年の当選以来、外交政策の優先事項として本国送還を積極的に推進している。彼の政権は、#MiPatrimonioNoSeVende(「私の遺産は売り物ではない」)のハッシュタグのもと、メキシコの文化遺産の返還を求めるソーシャルメディアキャンペーンを開始した。

最近では、イタリア警察の美術品・古美術品犯罪捜査部門であるカラビニエリ・アート・スクワッドが回収した43点の遺物が、イタリアからメキシコに返還されたばかりである。INAHは、これらの遺物はおよそ紀元前200年から紀元前600年までのものであると述べている。12月には、オランダが223点のヒスパニック以前の遺物をメキシコに送還している。2019年9月、メキシコとグアテマラの両者がミロンに売却の中止を求めたにもかかわらず、パリでコロンブス以前の遺物が競売にかけられた。

Mexican authorities condemn French auction of pre-Columbian artefacts


(コメント)これは一昨年、昨年と続けられてきた件。

略奪文物返還問題およびそれに連なる問題に接すると、略奪した側による返還のようすのもろもろ(要するに美化、美談、美徳)よりも、略奪された側のようすが注意される。それは、略奪された側の主権に注目するということである。主権の不均等のもとで略奪はおこなわれた。主権の不均等のもとで返還がおこなわれてはいないか──。

ところで占領期、占領軍に略奪された文物の返還を日本政府は要求しないのだろうか。実態調査はしたのか?

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