観覧料/入館料

以下はツイッターにポストした記事の再録。

備忘録。「清須市夢広場はるひの設置及び管理に関する条例」は美術館において教育委員会が主催して展示する美術品等を観覧しようとする者(以下「観覧者」という。)は、別表第2に定める額の観覧料を納付しなければならない」 http://t.co/pjuG1SAHQF と定義する。

通常同館では、屋外展示を除き館内の展示室に美術品等を展示しており、用語の観覧料は美術品等を展示する会場(展示室)への入場料の意と理解するのが法制度上妥当である。しかし同館は、当該観覧料を入館と同時に徴収する。入場料システムを定義しながら、入館料システムを実行している。

これは、「立法の原則」と「行政の運用」との不整合である。現状は、条例違反、恣意的運用となる。これを正すためには、立法の原則を行政の運用に合わせる、つまり条例改正または然るべき代決権に基づいた要綱等の制定をおこなうか、行政の運用を立法の原則に合わせなければならない。

条例を作文する際、他例を参照することはよくある。惟うに本例は、世に一般的な入場料システムを採用している条例を転用したのであろう。地方自治は住民の政治訓練の場であるとする理論に照らすと、地方自治政府の職員それ自体の政治感覚、政治実践の稚拙さが浮き彫りになる。況や住民をや。

ちなみに入館と同時に料金を徴収する網走市立郷土博物館は、「博物館の入館者は、次に定める入館料を納入しなければならない」 http://t.co/TkaTGA6FPA と明確に入館料を定義している。先行例は、制度と運用を正しく整える。それを忘れて詭弁を弄する後発例は悲しからずや。

1件のコメント

  1. きょう行った歴史民俗資料館。建物玄関を入ると「入館料」の文字が見える。入館料システムか、と財布を手にする。入ってすぐ左にカウンタ。ほどなく奥の部屋から女性職員が現れ「いらっしゃいませ」で始まるやりとり。帰宅後、条例を調べると正しく「入館料」と定義されていた。

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