このサイトの解体/構築中の2月、『DOME』が休刊した(あるいはする)らしい旨風の噂で聞き、ただいまようやく版元のサイトで確認する。1992年4月創刊なので、14年ほど続いたことになる。
創刊号が出て間もない5月、「日本・ドイツ美術館教育シンポジウムと行動1992」の会場に、女性アシスタントをともないあわただしく取材活動をする編集長山本育夫氏の姿があった。このシンポジウムの記録は、やがて同じ版元から刊行されるわけだが、『DOME』と「シンポジウム」という二つの出来事は、1990年代初頭の博物館界の「事件」であったように思う。もちろん1980年代後半から美術館教育の動きはあった。しかし、これを斯界に「大衆化」させたのは同誌だった。そして、この後いくつかのブームが継起する。ブームの発生それ自体が流行だった。この10 年、15年ほどのことである。『DOME』の時間は、ほぼそれと重なっている。ひとつの時代が終わったのだろう。「Web・DOME」(仮称)としてオンライン上で継続する模様だが、紙版のオンライン化ではない。「休刊」なのだ。
わたしもかつて同誌の取材を受け、誌面を構成する機会があった。あらためて感謝。またずいぶん前に、三木美裕氏と『DOME』について話すこともあった。取材を受けたものどうし共通する感想をもっていたが、それゆえに同誌が14年も続いたといま思えている。お疲れさま。